マンション管理研究所 ウォームハート

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修繕積立金が不足する場合の資金調達方法

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修繕積立金は、

① 周期的かつ計画的に行う大規模修繕

② 建替えにかかる合意形成に必要な調査

③ 不測の事故その他特別に事由

により必要となる修繕及び敷地・共用部分等の変更に備える準備金として徴収される費用です。

もし、長期修繕計画の内容に不備があって、大規模修繕に必要な修繕積立金が積立てられてなかった場合どうすればいいでしょうか?

大規模修繕工事を延期することも一つの方法です。

しかし、建物や設備は、時間の経過によって必ず劣化が進行してしまいます。適切な時期にメンテナンスしないと、劣化がさらに促進され、当初の計画以上に修繕費がかかる場合もあり、何らかの方法で資金を調達してでも工事を先行させた方がいい場合もあるのです。

そこで、修繕積立金が不足する場合、管理組合としてどのような資金調達方法があるのかについてまとめてみました。

1. 計画修繕工事費の調達方法

(平成25年度マンション総合調査より)

  • 修繕積立金        82.8%
  • 一時徴収金          2.8%
  • 借入金(公的金融機関)    6.8%
  • 借入金(民間金融機関)         4.5%
  • その他            3.9%
  • 不明              16.3%

修繕積立金」が最も多く、次いで借入金となっています。(公的金融機関と民間金融機関を併せると11.3%)

一時徴収金は2.8%と最も低く、実質的にも資金調達方法としては現実的なものではないことが分かります。

以降は借入金について見ていきます。

 2. 公的金融機関からの借入れ

 公的金融機関からの借入れには、独立行政法人 住宅金融支援機構の「マンション共用部リフォーム融資」があります。

(1)マンション共用部リフォーム融資とは

マンションの管理組合が、大規模修繕工事や耐震改修工事等の共用部分のリフォーム工事を行うときに利用できる「独立行政法人 住宅金融支援機構(以下「機構」という」の融資制度です。

(2)融資制度の特徴

【特徴1】全期間固定金利

・借入れの申込み時点で返済額が確定するので、返済計画が立てやすく、管理組合の合意形成がしやすくなる。

【特徴2】法人格の有無を問わない

【特徴3】担保は不要

【特徴4】耐震改修工事を行うことにより、年0.2%の金利引下げ

・機構の定める耐震改修工事を行う場合には、通常の融資金利から年0.2%引き下げます。

【特徴5】マンションすまい・る債の積立てにより、年0.2%の金利引下げ 

・ 借入申込み時点でマンションすまい・る債を保有している場合は、通常の融資金利から 年0.2%引き下げます。

(3)融資金利

一般のリフォーム工事 0.70%

耐震改修工事     0.50%  (平成28年8月1日時点)

※申込時の金利が適用される。

※「マンションすまい・る債」を積み立てている管理組合の場合は、蒸気金利から0.2%引き下がる。

(4)主な融資条件

① 資金使途

 マンション管理組合がマンションの共用部分をリフォームするための資金

② 利用できる管理組合

 a.次の事項が管理規約または総会の決議で決められていること。

  • 管理組合が住宅金融支援機構から資金を借り入れること
  • 借入れの返済に修繕積立金を充当すること
  • マンション管理センターに保証委託すること など

   b.毎月の返済額が、毎月徴収する修繕積立金額の80%以内となること。

   c.修繕積立金が、一年以上定期的に積み立てられており、管理費や組合費と区分して経理されていること。また、修繕積立金が適正に保管されており、滞納割合が10%以内であること。

融資限度額   工事費の80% 又は 150万円×住宅戸数 のいずれか低い額

④ 返済期間    1~10年(年単位)

⑤ 担保      不要

保証料    (公財)マンション管理センターへの保証料の支払が必要です。

3. 民間金融機関からの借入れ

(1)銀行のマンション共用部分リフォーム融資

マンション管理組合向けのリフォーム融資を取り扱う銀行はまだまだ少ないですが、取り扱っている銀行もありますので探してみてください。

〔参考〕ある地方銀行の「マンション共用部分リフォームローン」の概要

 融資可能な管理組合の主な条件

  • 管理規約により、管理組合の運営に関する定めが整備されていること
  • 借入れに関する総会決議が適正になされていること
  • 合理的な長期修繕計画が作成されていること
  • 修繕積立金の滞納額が10%以内であること 等

 融資限度額

  工事費の80%または150万円×住宅戸数のうちいずれか少ない金額 

 毎期の返済比率

  毎月の返済額(元利合計額)が修繕積立金の80%以内

(2)クレジット会社のマンション共用部分リフォーム融資

こちらも複数社で取り扱いを行っています。融資額も100万円から2億円、固定金利で2.5%~6.0%までとさまざまですが、信用・規模・業歴のある会社を選ぶことが大事です。

4. 借入れをする場合に考えること

長期修繕計画を見直す

資金が足りなかったということは、長期修繕計画が役に立たなかったということ。借入れの返済計画だけでなく、次の大規模修繕工事を実施するのに足りる修繕積立金を積み立てれるような計画に見直す。

日常管理におけるムダの削減を考える

委託業務費などの日常管理コストにムダがないか精査し、余剰分を修繕積立金に振り替えるようにする。

公的補助金助成金を利用する

耐震改修工事・エコ対策工事・バリアフリー工事等、国・地方公共団体にはマンションの大規模修繕工事に利用できる補助制度があります。行政の動向には注視しておきましょう。

5. まとめ

やむを得ず一時金の徴収や借入れが必要となることがあるでしょう。しかし、長期修繕計画の定期的な見直しなど、早めに対応をとることにより、その額は少なくなるのではないでしょうか?

そのためには管理組合の会計全般から見直す必要があります。管理費を見直したり、修繕積立金額を改定しておくことは、管理組合にとって必ず役に立つはずです。