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ネガティブ情報??ーマンション標準管理委託契約書(9)第18条~第20条

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今回は標準管理委託契約書第18条~第20条です。

18条 契約の解除(管理組合・管理会社の相互規定)
19条 解約の申し入れ(管理組合・管理会社の相互規定)
20条 契約の有効期間

※甲:管理組合 乙:管理会社

☆第18条 契約の解除

1 甲及び乙は、その相手方が、本契約に定められた義務の履行を怠った場合は、 相当の期間を定めてその履行を催告し、相手方が当該期間内に、その義務を履行しないときは、本契約を解除することができる。この場合、甲又は乙は、その相手方に対し、損害賠償を請求することができる。

2 甲は、乙が次の各号のいずれかに該当するときは、本契約を解除することができる。

一 乙が銀行の取引を停止されたとき、若しくは破産、会社更生、会社整理、民事再 生の申立てをしたとき、又は乙が破産、会社更生、会社整理の申立てを受けたとき

二 乙が合併又は破産以外の事由により解散したとき

三 乙がマンション管理業の登録の取消しの処分を受けたとき

第18条関係コメント

第2項第一号に規定する「銀行の取引を停止されたとき」とは、「手形交換所の取引停止処分を受けたとき」、また、「破産、会社更生、民事再生の申立て」とは、それぞれ「破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て」のことである。


第1項は、管理組合、管理会社の相互に契約を解除できる旨が規定されています。あくまで、契約上に定められた義務を怠った場合に契約を解除できる規定であることに注意が必要です。

管理会社が契約で定められている仕事をしなかった場合、まずは、管理組合から期限を定めて仕事をするよう要請します。もし定められた期限内に仕事ができなかった場合には、管理組合は契約を解除することができます。

第2項は、管理会社の事情(銀行の取引停止・破産等の申立て・解散・マンション管理業の登録取消し)によって、管理組合が一方的に契約を解除できる規定です。

マンション管理業の登録取り消し処分とは、マンション管理の適正化を推進するため法律(マンション管理適正化法)に基づく行政処分で、3つある処分のうち一番重い処分になります。(他に指示処分、業務停止処分)

国土交通省は平成17年からマンション管理業者への立ち入り調査を毎年実施し、さらに、「国土交通省ネガティブ情報等検索システム」により、国土交通大臣、各地方整備局長、北海道開発局長及び沖縄総合事務局長がマンション管理業者に対して行った行政処分等を定期的にとりまとめ、監督処分日より2年間ホームページに掲載しています。これらの情報により、契約している管理会社が登録取り消し処分を受けたことが分かった場合には、契約を解除できることになります。

www.mlit.go.jp

 

国土交通省ネガティブ情報等検索システム

 

☆第19条 解約の申入れ

前条の規定にかかわらず、甲及び乙は、その相手方に対し、少なくとも三月前に書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。

第19条関係コメント
本条は、民法第 651 条の規定を踏まえ、契約当事者双方の任意解除権を規定したも のである。解約の申入れの時期については、契約終了に伴う管理事務の引継等を合理的に行うのに通常必要な期間を考慮して設定している。

 

18条では、管理組合、管理会社のどちらかに契約義務違反があった場合に、一定期限までの履行を催促しても履行されなかった場合には契約を解除できるという規定でしたが、19条は、契約義務違反がなくても契約を解除できるという規定(任意解除権)です。

管理組合または管理会社は、その相手方に対し、3ヶ月前に書面で解約の申し入れを行うことにより、委託契約を終了させることができます。

管理会社を変更する場合は、新しい管理会社を総会で決議しなくてはなりません。そこで管理会社を切り替える方向性が決まったら、解約する月を逆算して理事会、総会、説明会等のスケジュールを細かく決めておく必要があります。少なくとも解約通知を送付する3ヵ月前までに、解約決議及び新管理会社の委託契約の承認決議を得ておくことが必須です。また、解約期間を無視した解約通知は、管理会社から損害賠償を請求される可能性もあるので注意が必要です。

 

☆第20条 本契約の有効期間

本契約の有効期間は、○○年○月○日から○○年○月○日までとする。

第 20 条関係コメント
契約の有効期間は、管理組合の会計期間、総会開催時期、重要事項説明時期等を勘案して設定することが必要である。

 

管理会社と締結する委託契約の有効期間は、1年または2年とすることが多いようですが、その期間に制限がありませんので、例えば5年間とすることも可能です。

契約期間を1年間とする場合、通常総会開催月翌月から翌年の通常総会開催月までの1年間が一般的です。例えば、平成28年5月20日通常総会が開かれる場合、契約期間はその翌月の平成28年6月1日から、翌年の平成29年5月31日までとなります。

なお、委託契約の承認は総会決議(標準管理規約第48条14号)なので、契約終了年度の総会では「管理委託契約の承認」に関する議案を総会で決議することになります。

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