マンション管理研究所 ウォームハート

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管理会社には部屋に入る権限がある!―マンション標準管理委託契約書(6)第12条~第13条

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今回は、マンション標準管理委託契約書の「第12条 通知義務」「第13条 専有部分等への立入り」になります。

※甲は管理組合、乙は管理会社です。

☆第12条 通知義務

1 甲及び乙は、本マンションにおいて滅失,き損,瑕疵等の事実を知った場合 においては、速やかに、その状況を相手方に通知しなければならない。

2 甲及び乙は、次の各号に掲げる場合においては、速やかに、書面をもって、相手方 に通知しなければならない。

一 甲の役員又は組合員が変更したとき

二 甲の組合員がその専有部分を第三者に貸与したとき

三 乙が商号又は住所を変更したとき

四 乙が合併又は会社分割したとき

五 乙がマンションの管理の適正化の推進に関する法律の規定に基づき処分を受けたとき

六 乙が第18条第2項第一号及び第二号に掲げる事項に該当したとき

第 12 条関係コメント

管理規約等に組合員の住所変更や長期不在等について届出義務を設けている場合 は、本条第2項に適宜追加することが望ましい。

 

管理会社は、マンションにおいて滅失(物がなくなる)・き損(物が壊れる)・瑕疵(欠点、欠陥)等の事実を知った場合は、速やかに、その状況を管理組合に通知しなければなりません。

また、管理組合においても同様の義務が発生します。管理会社の指摘を待っているのではなく、管理組合で気付いたことは管理会社に伝えることも必要です。

管理会社は日々の業務に追われ、重要なことでも見落としてしまいがちです。現在は、月次収支決算報告が義務化されている(*)ので、その他の管理業務も併せて報告してもらうことや理事会を定例化することが重要です。

(*)マンション管理適正化法施行規則第87条第5項

通知義務は、いわゆる「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」と言われますが、管理組合の理事長さんは、通常は本業(仕事)があるので、日中の連絡方法には苦労するというか、気をつかいます。いくら「ほうれんそう」が大事だと言っても、仕事中にどんどん連絡するわけにはいきませんからね。だから新しく就任される理事長さんとは、連絡しやすい曜日や時間を聞いたり、緊急のときのみ電話で連絡するとか、事務的な報告についてはメールで連絡するとか、事前に打ち合わせておく必要があります。最近はLINEなども使えるようになって便利になってきました。

 

☆第13条 専有部分等への立入り

1 乙は、管理事務を行うため必要があるときは、甲の組合員等に対して、その 専有部分又は専用使用部分(以下「専有部分等」という。)への立入りを請求するこ とができる。

2 前項の場合において、乙は、甲の組合員等がその専有部分等への立入りを拒否した ときは、その旨を甲に通知しなければならない。

3 第1項の規定にかかわらず、乙は、第8条第1項各号に掲げる災害又は事故等の事由により、甲のために緊急に行う必要がある場合、専有部分等に立ち入ることができる。

第 13 条関係コメント

第1項に規定する管理事務は、その都度、管理組合の承認の下で行われるものであり、 管理組合の協力が不可欠なものである。

組合員等が、正当な理由なく、マンション管理業者(又は再委託先の業者)の立入りを拒否したときは、第2項によりマンション管理業者はその部分に係る管理事務の実施が不可能である旨を管理組合に通知するものとする。

 

管理会社は、消防設備点検や雑排水管清掃等の管理業務を実施するときは、居住者に対して、その部屋又はバルコニー等への立入りを請求することができます。(標準管理規約23条必要箇所への立入り)

また標準管理規約23条2項では、「立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。」としているので、基本的に居住者は入室拒否ができません。

しかし世の中にはどうしても部屋に入らせない方がいるもので、何年間も消防設備点検や雑排水管洗浄をやってない部屋も少なくありません。
そこで、「標準管理委託契約書」では、立入りを拒否された場合は、その旨を管理組合に通知しなければならないとしています。その後は、管理組合として、何年間も点検をしてない部屋の住民の説得をしなければならないのですが(・・・これが難儀な仕事なのです。)

なお、災害又は事故等の緊急事態が生じている場合は管理会社は専有部分等に立ち入ることができますが、管理組合及び立ち入った部屋の居住者に対し、速やかに、報告をしなくてはなりません。

 消防設備点検では、共用部の点検と専有部分(各お部屋)の点検が行われます。お部屋の点検については、最近は遠隔点検ができる火災感知器がほとんどですので、入室しての点検は少なくなってきたと思います。ただ、バルコニーにある避難ハシゴは、実際に使えるかどうか確認する必要があるため、どうしても室内を通ってバルコニーに行くことになります。その際には、せっかくですから、避難ハシゴの使い方を点検員さんに教えてもらうことをお勧めします。意外に避難ハシゴのカバー(ふた)を開けられない方が多いと思うので、いざという時に慌てなくてすみます。私の印象では、優しく丁寧に教えて頂ける点検員さんが多いと思いますので、点検の邪魔にならない程度にお話ししてみてはいかがでしょうか。...END