マンション管理研究所 ウォームハート

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マンション標準管理委託契約書(4)第7条~第9条

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 今回は、管理事務に必要な管理室などの使用に関する規定(7条)、緊急時における管理業者の業務に関する規定(8条)、管理業者の管理事務報告に関する規定(9条)になります。

※甲(管理組合)、乙(管理業者)

 マンション標準管理委託契約書 ⇒ 契約書

 マンション標準管理委託契約書コメント ⇒ コメント

 建物の区分所有等に関する法律(区分所有法) ⇒ 区分法

 マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法) ⇒ 適正化法

☆第7条 管理事務室等の使用

1 甲は、乙に管理事務を行わせるために不可欠な管理事務室、管理用倉庫、清掃員 控室、器具、備品等(次項において「管理事務室等」という。)を無償で使用させるものとする。

2 乙の管理員室等の使用に係る費用の負担は、次のとおりとする。

一 ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。

二 ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。

三 ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。

四 ○○○○費 甲(又は乙)の負担とする。

第7条関係コメント

① 管理事務室等は、通常、管理組合がマンション管理業者にマンションの管理事務を行わせるのに不可欠であるため、無償で使用させるものとしている。

② 第2項は、管理事務室等の使用に係る諸費用(水道光熱費、通信費、備品、消耗品費等)の負担区分について、その内容を規定するものとする。

③ 管理事務室等の資本的支出が必要となった場合の負担については、別途、管理組 合及びマンション管理業者が協議して決定することとなる。

 管理組合が費用を負担する器具・備品については、備品台帳で管理(購入年月日、購入金額、品名と数量、設置場所などを記載)してください。意外にこの備品台帳がない管理組合が多いように思います。

 通信費・消耗品費については、第6条4項との関連があり、管理業者との協議をお勧めします。

☆第8条 緊急時の業務

1 乙は、第三条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる災害又は事故等の事由に より、甲のために、緊急に行う必要がある業務で、甲の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、甲の承認を受けないで実施することができる。この場合において、乙は、速やかに、書面をもって、その業務の内容及びその実施に要した費用の額を甲に通知しなければならない。

一 地震、台風、突風、集中豪雨、落雷、雪、噴火、ひょう、あられ等

二 火災、破裂、爆発、物の飛来若しくは落下又は衝突、犯罪等

2 甲は、乙が前項の業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに、乙に支払わなければならない。ただし、乙の責めによる事故等の場合はこの限り でない。

第8条関係コメント

① 本条で想定する災害又は事故等とは、天災地変による災害、漏水又は火災等の偶発的な事故等をいい、事前に事故等の発生を予測することが極めて困難なものをいう。

② 第1号及び第2号に規定する災害及び事故の例等については、当該マンションの 地域性、設備の状況等に応じて、内容の追加・修正等を行うものとする。

 管理業者は委託された業務(第3条に規定)を行うのが原則ですが、災害又は事故等(偶然の事故であり、事前の想定が極めて困難なもの)により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的余裕がないものについては、管理組合の承認を受けないで実施することができる旨の規定です。

 例えば、マンション屋上の塔屋でハチの巣が発見され、居住者への危険性・緊急性が高い場合に、駆除業者に依頼して駆除するなどは、この規定に該当するものと思われます。

 管理組合は、管理会社が緊急時の業務を行う上でやむを得ず支出した費用については、速やかに管理会社に支払わなければなりません。ただし、管理会社に責任がある事故等の場合は、管理組合は費用を支払う必要はありません。

☆第9条 管理事務の報告等

1 乙は、甲の事業年度終了後○月以内に、甲に対し、当該年度における管理事務の処理状況及び甲の会計の収支の結果を記載した書面を交付し、管理業務主任者をして、報告をさせなければならない。

2 乙は、毎月末日までに、甲に対し、前月における甲の会計の収支状況に関する書面 を交付しなければならない。

3 乙は、甲から請求があるときは、管理事務の処理状況及び甲の会計の収支状況につ いて報告を行わなければならない。

4 前3項の場合において、甲は、乙に対し、管理事務の処理状況及び甲の会計の収支に係る関係書類の提示を求めることができる。

第9条関係コメント

① 第1項の「甲の会計の収支の結果を記載した書面」は、別表第1 ・1(1)②に定める「収支決算案の素案」を提出することで代えることができる。なお、本報告は適正化法第77条に基づく報告であるので、管理業務主任者をして行う必要がある。

② 第1項の報告期限は、甲の総会の開催時期等を考慮し、管理組合の運営上支障がないように定めるものとする。

③ 第4項の報告については、当事者間の合意により、あらかじめ期日を定めて行う方法とすることも考えられる。

*適正化法77条(管理事務の報告):管理業者は、定期に、受託した管理業務に関する報告を、管理業務主任者をして行わせなければなりません。報告は、通常、管理者(理事長等)に行います。(管理者がない場合は、説明会で区分所有者に行う。)

 理事会がある管理組合では、通常、理事長が出席する理事会で報告するケースが多いと思います。なお、理事長は、組合員に対して、年に1回、集会を開いて管理事務の報告をしなければなりません(区分法43条)。つまり、総会での報告は、あくまで理事長から組合員に対して報告する義務があるということで、管理業者が理事長に行う本条の報告義務とは異なります。...END