マンション管理研究所 ウォームハート

あなたのマンションの管理業務はその費用に見合った内容で適正に実施されていますか? 当ブログはマンション管理のセカンド・オピニオン”マンション管理士”の活用を推進するブログです。福岡市西区在住マンション管理士が”Warm Heart”なマンション管理をご提案します。

マンション標準管理委託契約書(2)第1条~第3条

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今回からは、国土交通省が、管理組合と管理会社の間の管理委託契約書の雛形として活用を促している「マンション標準管理委託契約書」を条文ごとに確認していきます。

なお、国土交通省は「マンション標準管理委託契約書」本体と、その解説である「マンション標準管理委託契約書コメント」も発表していますので、これについても併記していきます。

※以下、下記のとおり短縮します。

 「マンション標準管理委託契約書」 ⇒ 契約書

 「マンション標準管理委託契約書コメント」 ⇒ コメント

 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」 ⇒ 適正化法

☆「マンション標準管理委託契約書」の前提

 コメント全般関係

①この契約書は、マンションの管理組合(以下「管理組合」という。)とマンション管理業者の間で協議がととのった事項を記載した管理委託契約書を、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「適正化法」という。)第73条に規定する「契約成立時の書面」として交付する場合の指針として作成したものである。  

② この契約書は、典型的な住居専用の単棟型マンションに共通する管理事務に関する標準的な契約内容を定めたものであり、実際の契約書作成に当たっては、個々の状況や必要性に応じて内容の追加、修正を行いつつ活用されるべきものである。          

③ この契約では、適正化法第2条第6号に定める管理事務をマンション管理業者に委託する場合を想定しており、警備業法に定める警備業務、消防法に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれない。

まずコメントで、「マンション標準管理委託契約書」の前提条件が示されています。

①は、マンション管理適正化法73条には、管理業者が管理組合と管理委託契約を締結したときは、一定の事項が記載された書面(契約成立時の書面)を交付しなければならないと規定されていますが、「マンション標準管理委託契約書」は、この場合に交付する書面の指針(モデル、雛形)になるとしています。

② は、個々のマンションの事情に合わせて、契約の内容を検討してくださいということです。契約は、当事者が互いに話し合って合意のうえで内容を決めるべきです。

③は、管理業者に委託する管理業務の中に、警備業や防火管理者の業務は含まれないことを示しています。

☆第1条 総論 

 甲は、本マンションの管理に関する業務を、次条以下に定めるところにより、乙に委託し、乙はこれを受託する。

マンションの管理業務を管理会社に委託する旨を示した規定です。  

☆第2条 本マンションの表示及び管理対象部分

 本マンションの表示及び管理事務(本マンションの管理に関する業務のうち、 甲が乙に委託する業務をいう。以下同じ。)の対象となる部分は、次のとおりである。

一 名 称 

二 所在地 

三 敷 地(面 積・権利形態)

四 建 物(構造等 ○○造地上○階建地下○階建共同住宅、建築面積 ㎡、 延床面積 ㎡、専有部分 住宅○戸)

五 管理対象部分(イ 敷 地、ロ 専有部分に属さない建物の部分(規約共用部分を除く。)、ハ 専有部分に属さない建物の附属物、ニ 規約共用部分、ホ 附属施設)

 コメント第2条関係

① 本条でいう管理対象部分とは、管理規約により管理組合が管理すべき部分のうち、マンション管理業者が受託して管理する部分をいい、区分所有者が管理すべき部分を含まない。この管理対象部分は、名称を含めて、個々の状況や必要性に応じて適宜加除、修正すべきものである。

② 専用使用部分(バルコニー、トランクルーム、専用庭等)については、管理組合 が行うべき管理業務の範囲内においてマンション管理業者が管理事務を行う。

③ 管理事務の対象となるマンションが以下に掲げるものである場合、又は共用部分 の設備等の故障等発信機器やインターネット等の設備等が設置され、当該設備等の維持・管理業務をマンション管理業者に委託するときは、本条を適宜追加、修正をすることが必要である。

一  単棟で、大多数の区分所有者がマンション外に住所地を有する「リゾートマンション」、専有部分の用途が住居以外の用途(事務所等)が認められている「複合用途型マンション」

二  数棟のマンションが所在する団地

管理会社に委託する管理業務の対象範囲を明示する規定です。専有部分は管理業務からは除外されており、個々のマンションの状況や必要性に応じて、加除修正することができます。

専有部分の管理は、所有者自身が行わなければなりません。

☆第3条 管理事務の内容及び実施方法

管理事務の内容は、次のとおりとし、別表第一から第四に定めるところにより実施する。

一 事務管理業務(別表第一に掲げる業務)

二 管理員業務(別表第二に掲げる業務)

三 清掃業務(別表第三に掲げる業務)

四 建物・設備管理業務(別表第四に掲げる業務)

コメント第2条関係

① 第1号から第4号までの管理事務の具体的な内容及び実施方法は別表で示している。なお、実際の契約書作成に当たっては、次のような業務をマンション管理業者に委託する場合等個々の状況や必要性に応じて本条を適宜追加、修正するものとする。

一 共用部分の設備等の監視・出動業務

二 インターネット、CATV等の運営業務

三 除雪・排雪業務

四 植栽管理業務(施肥、剪定、消毒、害虫駆除等)

五 管理組合から委託を受けて行うコミュニティー支援業務

② 第1号の事務管理業務には、適正化法第2条第6号に定める基幹事務が含まれて いる。

管理業務の内容を大きく4つの業務に分けて規定しています。その他、個々のマンションの状況や必要性に応じて業務を追加・修正することができます。コメントでは、追加業務の事例を記載しています。除雪・排雪業務などは雪が多い地方独特の業務になるでしょう。

いずれにしても、「管理会社はどんな仕事をしているの?」と言われれば、大雑把にいうと、事務・管理員・清掃・設備管理の4つの仕事をしているということです。

コメント②には「基幹事務」という言葉が出てきます。管理業者が引き受けて行う最も重要な業務として、適正化法2条6号に定められていますが、管理業者は、基幹事務を第三者へ丸投げ(一括再委託)することを禁止されています。ただし、小規模な管理業者がすべての基幹事務を自社でこなすことが容易ではないことを配慮して、基幹事務の一部に限り再委託は可能となっています。

あなたのマンションの管理会社は基幹事務を他者に丸投げしてませんか?実体のない管理会社と契約を結んではいけませんよ。

基幹事務

1.管理組合の会計の収入及び支出の調定

(ア) 収支予算案の素案の作成

(イ) 収支決算案の素案の作成

(ウ) 収支状況の報告

2.管理組合の会計の出納

(ア) 組合員が管理組合に納入する管理費、修繕積立金、専用使用料その他の金銭(管理費等)の収納

(イ) 管理費等滞納者に対する督促

(ウ) 通帳等の保管等

(エ) 管理組合の経費の支払い

(オ)管理組合の会計に係る帳簿等の管理

3.マンション(専有部分を除く)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整

(ア) 管理組合の大規模修繕の修繕周期、実施予定時期、工事概算費用、収支予想等を記載した長期修繕計画の作成

(イ) 管理組合がマンションの維持又は修繕(大規模修繕を除く修繕又は保守点検討)を外注により、第三者に行わせる場合の企画又は実施の調整

 なお、基幹事務を含めて、第3条の管理事務のもっと詳しい内容が別表(第1~第4)にまとめられていますので時間のある方は確認してみてください。...END