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ヒラメキ! マンション管理

福岡市在住のマンション管理士:北口秀樹のブログへようこそ

長期修繕計画を見直すときに知っておくべき3つのこと

長期修繕計画

 

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いま日本各地で、埋設水道管の破損によって、地中の土砂が流されて道路が陥没する事故が頻発しています。

ある統計によると、水道管の基幹である「管路」だけで平成23年には年間約25,000件の破損事故が起こったそうです。

高度経済成長期に建造された水道管が老朽化して、このような事故を起こしているようですが、老朽管を取り替えたくても、その予算がないという自治体が多く、なかなか更新が進まないのが現状のようです。

さて、マンションにおいては、このようなことにならないよう「長期修繕計画」があります。今回は長期修繕計画の基礎的な知識についてまとめてみました。

1.長期修繕計画作成の目的

将来見込まれる修繕工事や改修工事の内容、おおよその時期、概算の費用等を明確にすること。

計画修繕の実施のために積み立てる「修繕積立金」の額の根拠を明確にすること。

修繕工事や改修工事に関する長期的な計画について、あらかじめ管理組合内部で合意しておくことで、計画修繕の円滑な実施を図ること。

 

以上の目的にそって「長期修繕計画を作成」し、この計画にそって「計画修繕を実施」し、この計画に基づいて「修繕積立金の額を設定し、積み立てること」が不可欠です。

2.長期修繕計画作成の前提条件

長期修繕計画の作成にあたっては、次に掲げる事項を前提条件とします。

推定修繕工事は、建物・設備の性能・機能を新築時と同等の水準に維持・回復させる修繕工事を基本とする。

区分所有者の要望など、必要に応じて建物・設備の性能を向上させる改修工事を設定する。

計画期間において、法定点検等の点検及び経常的な補修工事を適切に実施する。

計画修繕工事の実施の要否、内容等は、事前に調査・診断を行い、その結果に基づいて判断する。

3.長期修繕計画の見直しの進め方

3-1 長期修繕計画の見直しの手順

長期修繕計画は、25年から30年の長期にわたる計画であるため、以下に掲げる不確定な要素により、5年程度ごとに見直し、同時に修繕積立金の額を見直す必要があります。

〇長期修繕計画における不確定要素

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〇長期修繕計画の見直しの手順(例)

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3-2 検討体制の整備

大規模修繕工事と同様、理事会の諮問機関としての専門委員会を設置して、マンションのビジョン(将来どんなマンションにしたいのか)の検討を行うことが望まれます。

3-3 現状の長期修繕計画のチェック

現状の長期修繕計画の内容及び修繕積立金の額が適切かどうかをチェックし、どのような見直しが必要か検討する。

3-4 専門家の候補者の選定、内定

〇長期修繕計画の見直し業務、調査・診断業務の実施方法

  • 管理会社との管理委託契約に含めておく方法
  • 見直しの都度、専門家(管理会社、建築士事務所等)と契約する方法

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建築士事務所等との契約

  • 1社を指名する場合
  • 候補の数社で見積合わせをする場合

3-5 総会の開催、委託契約の締結

〇契約締結の前に、総会に次の内容を諮る。

  • 業務を委託する者の決定
  • 委託契約の内容
  • 費用の支出

〇総会決議後、契約を締結する。

3-6 調査・診断の実施

〇調査・診断の材料

設計図書、修繕等の資料調査、現地調査、必要により区分所有者に対するアンケート調査を行う。

3-7 マンションのビジョンの検討

調査・診断の結果を踏まえて、現状の建物や設備の性能・機能を維持するための修繕工事の検討を行う。

→計画期間において、どのような生活環境を望むのか、そのために必要とする建物や設備の性能・機能等について、十分に検討し、それを長期修繕計画に反映することが大切です。

→区分所有者の要望などに応じて、建物及び設備の耐震性、断熱性、防犯性能等の性能向上を図る改修工事の実施について検討することも必要です。

→高経年のマンションの場合は、必要に応じて建替えも視野に入れて検討を行うことが望まれます。