マンション管理研究所 ウォームハート

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大規模修繕工事(2)工事の流れ

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マンションって日本全国で何戸あるのでしょうか?

何棟じゃなくて、何戸って聞くのは、国が棟数についての統計をとってないからです。マンションがこれだけ増えても、日本の住宅の基本はいまだに戸建て住宅がベースになっているということです。

だから、戸数しかわかりません。

それで、何戸でしょうか?

日本全国で約600万戸となっています。

日本の総住宅数は約6063万戸なので、マンションは約1割を占めています。

さて、その600万戸の中で、現在築40年を超えるマンションは約56万戸で1割を占めます。さらに10年後には、現在の約3倍の162万戸、20年後には約6倍の316万戸になる見込みだそうです。

人間も高齢化しているけど、マンションの高齢化も著しいということです。

ということで、大規模修繕工事の基礎知識の2回目です。今回は大規模修繕工事の手順についてです。

1.大規模修繕工事と建築確認

大規模修繕工事」や「大規模改修工事」という言葉は、建築基準法上に定義されていません。

マンション全体に足場が架かるとか、お金がたくさん掛かるからとかいうイメージで「大規模~」といわれているのだと思います。

建築基準法では、次のような言葉が定義されています。

 

修繕

同じ材料を用いて元の状態に復元し、建築当初の価値を回復させること

 

模様替

建築物の材料や仕様を替えて、建築当初の価値の低下を防ぐこと

 

大規模の修繕

建築物の主要構造物の1種以上について行う過半の修繕をいう

 

大規模の模様替

建築物の主要構造部の1種以上について行う過半の模様替をいう

 

また、特殊建築物(劇場、映画館等、マンションも含まれる)で、床面積が100㎡を超える部分の増改築・移転、大規模な修繕・模様替、用途変更には建築確認を受けなければならないという規定もあります。

 

さて、通常、マンションの「大規模修繕・改修」といわれる工事では、主要構造部に触れるような大規模な修繕や模様替はないので、建築確認を受ける必要はありません。

ただし、増改築や用途変更を行う場合は建築確認が必要となるので注意が必要です。また、マンションが防火地域や準防火地域にある場合は、1㎡の増築でも確認申請が必要になるため、改修設計は、建築基準法を熟知した建築士に任せるべきです。

2.大規模修繕工事の手順

  1. 修繕の体制を確立する
  2. 建物の調査診断を行う
  3. 修繕の設計を行う
  4. 施工業者を決定する
  5. 工事実施
  6. 工事アフター

ひとつずつ見ていきましょう。

2-1 修繕の体制を確立する

まずは管理組合側の体制づくりです。

理事会だけでは大変なので、通常、修繕委員会を立ち上げます。

修繕委員会は理事会の下部組織として、工事の諸問題を検討し、理事会に上程することになります。

もちろん最終決定権は総会にありますので、お忘れなく。

また、管理組合の側に立ってアドバイスしてくれる専門家についても、できるだけ選任しておいたほうがいいでしょう。

2-2 建物の調査診断を行う

次に、建物がどれくらい劣化しているのか診断を行います。

人間の体と同じで、どこがどのように悪いのか、どうすれば直すことができるのか判断するために必ず必要です。

2-3 修繕の設計を行う

悪い部分が分かったら、次はどのような材料で、どのような工法で修繕するのかを検討します。

ここで工事の範囲・仕様・工法案が定まったらを、それに基に概算費用を算出します。

 

2-4 施工業者を決定する

競争入札、見積もり合わせ等で内定し、最終的には総会で施工業者を決定します。

選定方法はあらかじめ総会で決議しておく必要があります。また、選定の経緯を居住者に公表できるようにしておいて下さい。

 

2-5 工事実施

工事着工前には、必ず居住者に対する工事説明会を行ってください。生活しながらの工事なので事前に十分な説明が必要です。足場がかかるので、特に安全面や防犯面での対策を十分に練っておいてください。

工事期間中は定期的な工事報告会を行ってください。工事中は想定外のことも起こる可能性があるので、管理組合側の窓口は一本化しておいたほうがいいと思います。

 

2-6 大規模アフター

各工事の保証期間に合わせて定期的に点検が行われます。

また、長期修繕計画の見直しを行い、次の大規模修繕工事に備えることが必要です。

 

3.まとめ

今回は大規模修繕工事の手順について、大まかな流れを説明しました。細かいことを書こうと思えばいくらでも書けるのですが、大きな流れをとらえて頂きたいと思って、あえて簡潔なものにしました。

マンションで生活している以上、大規模修繕工事から逃げることはできません。

大変だとは思いますが、綺麗になって便利になったマンションで、新たに生活がスタートするという気持ちで取り組んでいきましょう。